【前回までのあらすじ】
ベロニカちゃんどころか、過去に戻る事で異変で死んでしまった人達を助けられるけど、戻れるのはルキウスくんだけだった。
では、仕切り直し。
「それでも……それでも お前は
過去に戻るって言うのかよ?
>はい
ほんとは行きたくないけど、大団円の為に行くよ。
もう決めちゃったから、止めても無駄だからね。
ここのカミュくん、誤魔化すように溜息こそついたけど、今まで見た中で一番悲しそうな顔してる…
ルキウスくんを過去に行かせたくないけど、ルキウスくんの意志を尊重したいジレンマですっごく苦しんでるのが分かる…なのにこの子、すぐに切り替えちゃうんですよ…どうしてそんなに我慢できるんだよ…「本当に行くのか?」「どうしてもか?」って聞くばっかりで、自分の意思を伝えないし…行くなって言いたいだろうに…
カミュくん…彼氏過ぎる。
一番止めると思ったカミュくんが背中を押したからか、みんなも心を決めたようです。
そうして、みんなは道を開けてくれたのでした。
みんなものっすごい空元気の気配がしますが、それでも最年少のルキウスくん自身が最も辛い選択肢を選ぶことを尊重してくれたようですね。
いい仲間達だ…本当なら皆で行きたいけど、シナリオがそれを許さない…
こんな状況でも、ルキウスくんの視線はカミュくんに優先的に向くようになってるのか…いや、こんな状況だからこそだよな…
最も付き合いが長くて、最もルキウスくんを助けてくれた魂の相棒だもんな…
カミュくんしゅきぃ…ありがとう、頑張って世界救ってくるね。
この、一番近いところでルキウスくんを見てるのが、ルキウスくん絶対守るマンのカミュくんとマルティナちゃんっていうのが…ほんと…ほんと…
時の番人さん曰く、ルキウスくんの経験値や持ち物はそのまま持てて、仲間の装備品やアイテム、大事なもの等、仲間達以外のもの全ては、「悠久の金庫」というものに勝手に入ってくれるので、過去にも持っていけるってことらしいです。
その金庫の中に、カミュくんとか入れられないの…? 小柄だしいけない?
時の番人まで、魔王の剣を推してくるのか…
じゃあ、そろそろこの時間ともお別れですね…
行きます!
やめてよ! 念押さないでよ!
ベロニカちゃんを救って大団円を迎える為に、行かなきゃいけないんだよ!
ルキウスくんは覚悟を決めて、時のオーブの前へと踏み出しましたが
そこに、慌てて追いかけてくるみんなの姿が。
ルキウスくんを絶対守るマンのみんなですが、ルキウスくんの意思も出来る限り尊重するマンのみんななので、止めるつもりじゃなさそうですね。
みんな律儀すぎるんだよなぁ…本当に優しい子達だ…
姉貴とおじさんカップルは相変わらずだなぁ…また過去で仲良くしようね。
マルティナちゃん、対等な立場で信頼してくれてありがとう。
お姉ちゃんにはめちゃくちゃお世話になると思うんで、過去でもよろしくお願いします…(スーパールーレット)
お゛し゛い゛ち゛ゃ゛ん゛…!
みんなルキウスくんに声を掛けてくれていましたが、セーニャちゃんは何やら躊躇っているようです。
う~ん…ヒロイン。
ま~た、イケメンはそういうことする~
この時間のセーニャちゃん、ルキウスくんのこと好きなんだろうなぁ…
こんなこと言われたら探さないわけないやん…ルキウスくんはカミュくんの彼女だから、そういう対象にはなれないけど(雰囲気台無し)
勿論、可愛いお願いにルキウスくんもにっこり微笑んで頷きます。
ルキウスくんがみんなにしっかり見せた最後の表情が、この笑顔なんですね。最後を笑顔で締めるなんて、なんて男前なんだ…
けど、すぐに硬い表情になってるのが一瞬見える…
カミュくん、名前を呼んだきり何も言わなかったなぁ…二人の間に、言葉は必要ないって事なのかな?
まあ、そのぐらいの信頼関係は出会ってすぐに築いてるもんね! だから分かってるよ相棒! 頑張ってまた世界救ってくるからね!
じゃあ、いっちょ時のオーブを壊してベロニカちゃんと世界を救って来ましょうか!
剣を握った瞬間に、きりっとするのすごくいい…
剣を抜く瞬間に目を閉じるのもすごくいい…
よし、壊すぞ!
固唾を飲んで見守る家族たちと、何故か一人悠々と構えている彼氏の背中の貫禄の差おかしいでしょ…信頼の厚さが違いすぎる…
壊れた! 壊れました! みんなと一緒に作った勇者のつるぎが壊れてしまいましたが、オーブも壊せたようです!
凄く寂しいけどよかった…これで、ちゃんと過去に戻れそうですね…
オーブが壊れ始めると、その場が激しい光に包まれていきます。
時の番人さん、瞼とかないけど眩しくない? 大丈夫?
後ろで見ていたみんなは、思わず前に踏み出していました。
いくら覚悟を決めていても、やっぱりいざ行く瞬間を見ると、どうしても本能的にそうなっちゃうんでしょうね…
おじいちゃん…
その時、おじいちゃんの背後に立っていたカミュくんが、急に駆け出しました。
おじいちゃんの声が聞こえたからか、カミュくんが駆け出した足音を聞いたからか、ルキウスくんも何かを察した様に振り向きます。
どっちであってもなんだか嬉しくて、そして悲しい…
カミュくん…そんな、こんなタイミングで言うなんてずるいよ…
カミュくん…また一緒に冒険しようね…!
みんなの姿が見えなくなってすぐ、冒険の記憶が走馬灯のように流れながら消えていきます。
これが時を巻き戻してるって事なんでしょうね。
そして、今度は未来へ逆流していきます。
これはルキウスくんの記憶というよりは、過去に戻ってここもやり直してきたという表現に見えますね。
ああ…ベロニカちゃん…!